残業ゼロタスク術

複数プロジェクトを抱えるITエンジニアのためのタスク「見える化」術:Jira/Notion活用編

Tags: タスク管理, 残業削減, Jira, Notion, 複数プロジェクト

はじめに:タスクが「見えない」ことの課題

多忙なITエンジニアの方々は、複数のプロジェクトを同時に進行し、日々山積するタスクに追われていることと存じます。タスクリストは存在するものの、全体像が掴みにくく、どれから手をつけるべきか迷ったり、重要なタスクや依存関係を見落として期日直前で慌てたりすることは少なくありません。

こうした「タスクが見えない」状態は、非効率な作業を生み、結果として定時後の開発や打ち合わせを常態化させ、残業増加の大きな要因となります。限られた時間の中で最大限の成果を出し、プライベートや自己学習の時間を確保するためには、タスクを正確に把握し、管理できる状態にすることが不可欠です。

本記事では、タスク管理ツールの代表格であるJiraやNotionを活用し、タスクを「見える化」することで、複数プロジェクトにおける混乱を解消し、残業を削減するための具体的な手法を解説いたします。

「タスクの見える化」とは何か

ここで言う「タスクの見える化」とは、単にやるべきことをリストアップするだけではありません。タスク一つひとつに対し、その内容、期日、担当者、現在のステータス、優先度、さらには他のタスクとの依存関係や見積もり時間といった情報を付与し、それらを視覚的に理解しやすい形で整理・共有することを目指します。

見える化の主な目的は以下の通りです。

これらの目的を達成することで、無駄な手戻りやコミュニケーションコストを削減し、効率的に業務を進めることが可能となり、残業削減へと直結します。

タスクを見える化するための具体的なステップ

タスクを見える化するためには、以下のステップで進めることが効果的です。

Step 1: 全タスクの洗い出しと一元化

まず、現在抱えている全てのタスクを漏れなく洗い出します。プロジェクトごとに管理されているタスク、個人的なToDo、議事録に残された宿題、メールで依頼された事項など、あらゆる場所にあるタスクを一つのツールに集約します。JiraやNotionのようなツールを使うことで、複数ソースからのタスクを一元的に管理しやすくなります。

Step 2: 各タスクへの情報付与

洗い出したタスクそれぞれに、必要な情報を付与します。最低限含めたい情報は以下の通りです。

さらに、可能であれば以下の情報も加えると見える化の効果が高まります。

これらの情報を構造化して管理できるのが、JiraやNotionの強みです。

Step 3: 適切なビュー形式の選択と設定

タスク情報を入力したら、次にそれらをどのように「見せる」かを設定します。JiraやNotionでは、同じタスクデータに対して様々な表示形式(ビュー)を切り替えることができます。

これらのビューを使い分けることで、全体の進捗、個人の今日のタスク、特定のプロジェクトの状況など、見たい角度でタスクを把握できます。

Step 4: 定期的な見直しと更新

タスク情報は常に最新の状態に保つことが重要です。少なくとも週に一度は、タスクリスト全体を見直し、ステータスの更新、期日の調整、新規タスクの追加、完了タスクのクローズを行います。週次レビューの時間を設けることで、タスクの鮮度を保ち、見える化の効果を持続させることができます。

Jira/Notionでのタスク見える化実践例

具体的なツールでの設定例を見てみましょう。

Jiraでの見える化

アジャイル開発で広く使われるJiraは、タスク(Issue)に様々な情報を付与し、多様なビューで表示する機能が充実しています。

複数のプロジェクトを横断してタスクを管理する場合、Jiraの「Cross-project board」機能や、Advanced Roadmapsのような上位エディションの機能が役立ちます。個人のタスク管理であれば、全てのIssueを対象にしたフィルターを作成し、それをボードやリストで表示するのも有効です。

Notionでの見える化

柔軟性の高いNotionは、データベース機能を活用することで、完全にカスタマイズされたタスク管理システムを構築できます。

Notionの最大の利点はその自由度ですが、裏を返せば最初にある程度の設計が必要です。しかし、一度構築すれば、自分の働き方に最適なタスク見える化環境を手に入れることができます。

見える化の効果と継続のヒント

タスクを見える化することで、以下のような効果が期待できます。

これらの効果は、結果的に無駄な作業や手戻りを減らし、効率を高め、残業を削減することに繋がります。さらに、創出された時間で、趣味や家族との時間、あるいは将来のための自己学習といった、本当に価値を置く活動に時間を投資できるようになります。

見える化の効果を継続させるためには、タスク情報の鮮度を保つことが最も重要です。定期的にタスクリストを見直し、完了したタスクはすぐにクローズし、新しいタスクが発生したら即座に追加する習慣をつけましょう。最初は手間を感じるかもしれませんが、習慣化することで、その後の効率アップによるメリットがはるかに大きくなります。

まとめ

複数プロジェクトを抱え、タスクに追われがちなITエンジニアにとって、タスクの「見える化」は残業削減と生産性向上のための強力な手法です。JiraやNotionといったツールを活用し、タスクに適切な情報を付与し、多様なビューを使い分けることで、タスクの全体像把握、優先順位付け、ボトルネックの発見が容易になります。

タスクが「見えない」状態から脱却し、「見える」状態にすることで、効率的なタスク管理が可能となり、定時退社や自己投資時間の確保といった目標の達成に繋がります。ぜひ本記事を参考に、ご自身のタスクを見える化し、よりコントロール可能な働き方を実現してください。